皆さん、こんにちは、mqmの王です。
二日連続の投稿の形は今まで初めてです!昨日、思ったより長かったので、途中でいきなり終わってしまいましたので、誠に申し訳ございませんでした。
さて、今日も引き続き考えてみたいと思いますね。
では、昨日の続きです。。。
アリペイが払い戻しに対して手数料を徴収する理由
1.WeChat Payと同じ、銀行に対する手数料がコストである
理由は前回で述べたように銀行に対する費用は免れないので、コストはかかります。しかし、今までも同じようなコストがかかったのに、なぜ今さら感があります。
2.WeChat Payの有料化が成功
今年2月に払い戻しを有料化したWeChatですが、利用頻度・単価もあまり大きな変化はありませんでした。結果的に前回に述べたように少額かつ払い戻しよりチャージの方が多いので、あまり影響がしないわけです。そのため、WeChatの有料化から7ヶ月ぐらいでようやくAliPayも有料化を発表しました。実行は10月12日です。要するに、アリペイ側から見ると今までこういう無駄(かも)なコストを削減できそうなわけです。
3.蟻金融が運営するサービスであるAliPayは上場に向かって収益力を向上するため
蟻金融(アリババグループの傘下会社、アリペイを運営する会社)は世界で未上場会社の評価額一かもしれないのポテンシャルを持っていますが、上場に向かって、収益構造を健全化するのは課題です。もちろん、現在の収益は十分すごいですが、上記のWeChatPayの事例から見ても、そっちより酷くはないが、結構な不要経費を削減することにつながるはずです。
※2016年4月のシリーズB(45億ドルの調達)で評価額額は600億ドルでした。現在の評価額一のUBERはシリーズG(35億ドル)で660億ドルの評価額でした。ジャンルが違うため参考にはなりませんが、中国における金融ビジネスのポテンシャルは僕の想像つかないものです。
4.電子マネーのままがいい
アリペイからすると 一旦、ユーザーがお金を預けてもらうと、払い戻しよりは、電子マネーで消費してもらうほうがいいですね。一般消費者からすると、別に払い戻しをする必要がないわけです(法人やEC専門の事業者は別、現在のところはタオバオはまだ手数料を取る動きがない)。中国では、電子マネー自体が普及していて、アリペイとWeChatのほとんどのアクティビティユーザーが被るわけで、どっち派よりは使用のシーンによって使い分けているユーザーが多いです。
WIN、WINなのか
立場によって違うと思いますが、アリペイの場合は先行者の優位性とタオバオ(Taobao)のダントツの強さからずっとリードして来たわけですが、数年前までは互角に戦えるライバルが現れないと断言できるぐらいです。
しかし、WeChatの異常な普及によって、テンセントのペイメント事業も順調に拡大してきました。しかし、EC分野に関しては、アリペイと勝負できるところまで来てないのです。でも、もっと高頻度な日常決済は少額でありながら、シェアは異常に高いです。
結果的にPC時代はアリペイはダントツ強かったですが、モバイルにおける利用シーンが増えて、WeChatPay(マネーパワーで)も自分の立場を見つけたので、モバイル時代は、互角になってきたような感じです。
さらに、WeChatPayは先手で払い戻しを有料化をする一方、リードするアリペイは後手を打つことは、相当ピリピリしているはずです。
トータル的に、両社にとって収益の改善につながるわけで、本件にかんしてはWIN、WINだと思います。
追伸。
本件とは関係ないのですが、どの分野でも、業界リーダーを追い越すために、同じやり方は通用しないわけで、本件の決済に関する分野は、アリペイの成長は大きくタオバオに依存していたと、テンセントはWeChatというアプリを普及したこそ、ペイメント事業もうまくいったのです。
テンセントのペイメント事業はアリペイよりさほど遅くはなかったのですが、テンセントのECはアリババのタオバオと比べると相当弱かったのです(テンセントは今でもECに弱い)。そのため、当時の感覚はペイメント事業はECに付随したサービスの考えかたでしたので、ECが弱いので、ペイメントも弱いのは仕方がないかのことでした。
しかし、まさか、スマホの普及を背景にWeChatの爆発に人気を博した上、デリバリーや配車サービスなどEC(商品を買う)以外でも決済の利用シーンが増えたので、自然にWeChatユーザー同士はWeChatPayを選択することも増えます。そのため、自然に決済サービスのユーザーも増えます。特に、少額であるため、利用頻度も相当高いなので、おそらく当初の想定外のことだったはずです。
何を言いたいかっていうと、同じ分野のトップを超えるには、違う分野で戦う選択肢もあります。単なる競争よりは、回避することもできます(もちろん、戦うべきなときは戦う必要がある)。言い換えると同じ方向を目指しても、違うルートがあるはずです。