皆さん、こんにちは、mqmの王です。
また、中国で大きなニュースがありましたので、ご一報。
※下記の金額に関しては人民元で表記しております。
顺丰(順豊エクスプレス、S.F. Express)とは
Wikipediaによると:順豊エクスプレス(じゅんほうエクスプレス、中国語:順豐速運、英語:SF Express)は、中国の物流エクスプレス民営企業である。1993年に広東順徳で上海生まれの香港人王衛により創業された。 [1] 電子商店街の拡大と共に、中国国内で米系フェデラル・エクスプレスやユナイテッド・パーセル・サービスなどの物流大手、国有企業の中国郵政傘下の中国郵政速逓物流以外で、中国の最大の物流エクスプレスの一つである。[1] 経営範囲は中国国内だけではなく、香港、マカオ、台湾、米国、シンガポール、韓国、マレーシア、日本、タイ、ベトナム、オーストラリアにおいてもサービスを展開している。[2] 今まで中国国内及び海外に、約29万人の従業員を雇用し、1.2万台の車輛を持ち、15機の航空機と9,100ヶ所のサービス拠点を有している。
※補足として、2015年の売上473億元、純利益は16.2億元でした。航空機は現在47機らしいです。中国の宅配業界の断トツのナンバーワンです。因みに、客単価はライバルである圆通、申通が3元程度で、業界平均13.4元に対し、順豊は脅威的の27.8元でした。価格が高い分、配達のスピード、サービス丁寧さも業界トップので、タオバオやTモールをはじめ通販を利用する消費者から幅広く知名度と信頼度をもっています。
2011年ごろは上場する気は全くなかった順豊ですが、去年に入ってから、中国での上場を企んでいました。売上、利益とともに業界トップを走り続けていたのですが、インフラの整備するなどの理由でために上場を決めたらしいです。
なぜ順豊は裏口上場を選んだのか
2016年2月まで、中国A株IPO待ちの会社数は800社あまり、2015年水準で、220社が上場を果たしたので、通常のやり方は数年かかる可能性が十分あります。しかし、中国物流業界で、インフラの整備に莫大な金が動いているし、ライバル達の成長が無視できず、順豊の利益で賄うことはほぼ不可能になってしまいます。裏口上場で時間の短縮することができます。順豊だけではなく、中国で、特にIT業界がよく実行されていることです。去年あたりから、NY上場の数社が上場を廃止し、中国で上場する動きもでてます。一番大きな理由は中国でのPERが高くつくことです。特に中国においてIT業界の優良企業がほぼ海外で上場していたので、国内に優秀な会社が少ない、投資先も少ないので、乐视(楽視、LeEco)のような化け物の高値がついていたわけで、今回とは関係ないので、また時間あるとき別途記事に。
裏口上場(うらぐちじょうじょう)とは「不適当な合併等」のことであり、非上場企業が自身より規模の小さい、または経営不振状態の上場企業を買収し、 上場企業を存続会社とした合併を行う、または上場企業と共に株式移転や事業譲渡、会社分割などを実施することで、実質的に非上場企業の経営に取り込まれた状態でありながら上場審査を経ずに上場を維持する行為。
順豊の価値
2013年の資金調達時、80億元を調達し、評価額が320億元くらいでしたので、上場するまでに通説1000億元を予測で今回は433億元でしたので大きく離れています。まず、ライバルの三通一達(圆通:175億元、申通:169億元、中通:NY上場を計画して目標は400億元、韵达:未定)と比べると時価総額はトップに走り続けています。三通一達のビジネスモデルは安価の代理店モデルに対し、順豊はすべて自営です。それで、サービスをコントロールしやすく、消費者の中の評判もいいです。ただ、ライバル達もインフラの整備整えつつ、配達スピード向上し、サービスも向上しているのは間違いありません。それは順豊上場して資金調達を急ぐの根本的な理由です。
また、中国全土で、インフラが急激に整備されることに対し、アリババ系、京東系の物流数の成長が鈍くなっているので、需給関係が逆転する可能性があるので、天井がもうすぐ来るはずです。特に、三通一達は価格競争とアリババの菜鸟物流に強く依存し、ブランド力が弱まる可能性があります。それに対し、順豊は異色な存在で、通販以外の物流業務も成長しているので、数年後には、もっと価値が高まるはずです。