随分前からヤフーショッピングの無料化について書きたかったのですが、諸事情で書けませんでした。書かずに気が済まないので、ついに書いてみようかと思います。
皆さん、こんにちは、mqmの王です。
今回はヤフーショッピングの無料化について書いてみたいと思います。いきなり無料化されてから2年半ぐらい立ちますが、このこと自体、たくさん記事されてますので、ちょっと違う視点で考えてみたいと思います。ちょうど先月ヤフーの決算が発表され、中間観測にもなると思います。
ヤフーショッピングの無料化は正しかったでしょうか
正しいと思います!しかし、時期的に2-3年遅かった気がします。もし2010年前であれば、もっとすごい効果のはずです。
主要GMV(流通額):
2010年楽天:1.1兆円 yahooショッピング:0.27兆円 yahooオークション:?兆円 アマゾン:5025百万ドル
2011年楽天:1.3兆円 yahooショッピング:0.29兆円 yahooオークション:?兆円 アマゾン:6576百万ドル
2012年楽天:1.8兆円 yahooショッピング:0.31兆円 yahooオークション:0.68兆円 アマゾン:7800百万ドル
2013年楽天:2.2兆円 yahooショッピング:0.32兆円 yahooオークション:0.75兆円 アマゾン:7639百万ドル
2014年楽天:2.4兆円 yahooショッピング:0.37兆円 yahooオークション:0.82兆円 アマゾン:7912百万ドル
2015年楽天:2.7兆円 yahooショッピング:0.52兆円 yahooオークション:0.87兆円 アマゾン:8264百万ドル
※楽天は楽天市場、トラベルなどを含む国内EC流通総額
※yahooショッピングのみ
※yahooオークション2010、2011年のデータが不明
※アマゾンは米ドル建て
※上記のデータはネットから収集したものので、もし誤りがある場合ご連絡ください。
yahooオークション事業が堅調に成長しているのに、ショッピング事業がほぼ成長していなかった(特に2011年~2013年)ことがお分かりでしょうか。そのため、起爆剤として、何かの施策が必ず必要としたのです。そのままで、成長よりむしろ衰退してしまいそうです。楽天は国内流通額として開示していたため、市場、オークションなどのセグメントの詳細を知りませんでした。特にここ数年、サービスが増え、全部計上されてしまうため、市場事業単独成長が相当厳しいかもしれません。
で、yahooショッピング事業に関しては、無料化というやり方で、次への成長を狙っていたのですね。
ヤフーショッピングの無料化からGMVの増加までのステップ
1)出店数の増加
現在日本国内でダントツに出店数がトップで(3月で37万店舗)の実績が出て、順調に進んでいると言えます。
2)出品数の増加
商品数は2億まで順調に増えていて、まだダントツ多いわけではないですが、確実に増えてます。
3)GMVの増加
今のところまでは、かなり増えてるので、今後もさらなる成長するはずです。
ヤフーショッピング無料化のうまいところ
ショッピングのみを無料化で、オークションまで含まなかった!それは、ヤフーの中で、ショッピング事業がオークション事業の半分もいかないので、思い切って試しても大損しないことで、本体にも影響が少ない方です。しかし、もし上手く行くと、流通額のトップになれば、事業としては次の次元も見えてくるので、賭ける価値が十分アリでした。相手にすると、楽天の場合は市場事業が最も大きい事業で、結構な打撃になったはずです。また、アマゾンは事業形態が違うわけで、本体のBtoC事業はたぶん永遠に儲からない事業なのに、第三者出品に対する手数料は高すぎる気がしますし、自社と第三者の同時に販売するモデルは私はよくないと思います。特に商材が被るとき、出品者が被動的になります。ヤフーで売れると、自然に多店舗運営の主体がヤフーに流れるはずです。
ヤフーショッピング無料化の残念なところ
1)ゾンビショップが多い(登録しただけで、運営してないショップ)
出店数が増加したが、数多くのショップは出品もせず、放置状態も多く存在するのは事実です。実際はシステムが古いままで、使い勝手がいいとは言えません。確かに、アリババのタオバオ(Taobao)などを参考しているのですが、まだ本気度が足りない気がします。例えば、タオバオは無料なのに、どんどんシステムやツールが進化している。確実に使いやすい。また、タオバオ、Tモールが絶対的トップシェアを持っているにも関わらず、技術もインフラも進歩している。それは一番怖いところです。隙がないのです!こう考えるとヤフーショッピングが無料化だけではなく、システムをもっと進化させるべきです。方向は出品、ショップ制作などをしやすいようにしなければなりません。例えば、メルカリがオークションのスマホ最適化してものすごく伸びていますね。
2)集客力がまだ弱い
ショップも商品も増えたのに、集客が増えるとは言えません。流通額が確かに増えてますが、ショップ数、商品数の伸びにして、まだまだ足りません!売れないとショップ側も本気で運営できない、どうしても楽天、アマゾンを優先にし、後回しされることになります。買う側も最初の選択肢になれません!決して、ヤフーが消費者に対して使いやすいと言えません。もっと集客力をつけないいけません。例えば、スマホ向けにまだ楽天もアマゾンも同じレベルですので、ヤフーだけが優秀だと、差をつけることが十分可能だと思います。また、優良なショップたちを集め、成長させて、代表事例にすると、すごくショップ側にもプラスになります。自然に売上が増えると、運営に力を入れることができます。
3)APIなど公開したが、オープンとは言えない
50本のAPIが公開されてますが、みんなが使える状態ではないようです。審査のための面談や、一部のAPIは限られている企業にしか使えないことがあります。姿勢がすごくいいですが、実際は完全に活用されているとは言えません。
4)ヤフートリプルまで無料じゃなかった
トリプル有料がすごく中途半端な感じがします。前述のように、システムが不便な一つなところは、デザインの部分で、PCとスマホのページ作成が別々する必要がある。ページなどをトリプルにする方法がありますが、有料だから使わないショップが多いですね。せっかくそういう便利な機能があるのに、ちょっと残念なところですね。たぶん、ヤフーに対してそんなに収入にならないので、無料にしても良いではないかとすごく思います。